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GoodDesign賞2020 W受賞
GoodDesign賞を受賞しました。
この度、2020年度グッドデザイン賞を受賞することになりました。受賞建築は「姫島の家」と「光と風の宿」の2作品となります。双方ともにクライアントをはじめとした関係者の皆様や、現場に関わっていただいた施工者の皆様の姿勢の結果です。大変ありがとうございました。そして、関係者の皆様おめでとうございます。
姫島の家は離島の人口減少から始まる未来に向き合い、光と風の宿は高齢社会の住まいについて取り組みました。社会的な問題に向き合い、それを建築として構築できたことが評価されたのだと思っています。日々建築活動に取り組んでくる中で大変嬉しい評価となりました。これからもソーシャルグッドな建築を目指して建築活動をしていきます。
グッドデザイン賞HP→https://www.g-mark.org/
受賞結果
姫島の家→https://www.g-mark.org/award/describe/50774?token=QhEfZpKVPM
光と風の宿→https://www.g-mark.org/award/describe/50804?token=QhEfZpKVPM
【姫島の家 概要】
応募カテゴリー:戸建て住宅
建設地:大分県東国東郡姫島村
(コンセプト)
人口減少が顕著に進む島内において施主の想いは島の若者が住みたいと思える住宅に合った。観光も力を入れる島ではあるが、漁業などの産業も盛んであり定住促進も求められた。島外の人が求める「島らしさ」ではなく、島内の人にとって「魅力的な住宅」を目指した。 瓦屋根、焼杉等の古くから見られる素材選定も検討したが、求められる要素は新しい島の家であった。よって、素材や性能を高め島の地域性に添う設計を心掛けた。 また、島には建設に関わる全ての職種が無く、物流を主とした造られ方となりつつあった。その多くは既製品の手軽さに頼りがちとなっていて、建築によってつくられる景観は島外と同じく画一的な方向が見られた。 島ならではの気候と、物流を意識した素材、そして造る人の手配が建築を造るうえでの条件となった。
(審査委員の評価)
離島の伝統的な住居形態に対して、現代の設計者がどう応えるべきかを示してくれるプロジェクトである。条件が許せば、伝統をトレースすることも選択肢の一つだったのだろうが、ここでの取り組みは、制限を吟味し現代的に組み上げることへのチャレンジである。塩害への備えや材料の調達、職人の手配など、一つひとつの大事なものごとを積み重ねることが、伝統をアップグレードすることにつながっていくのではないか。
(関係者の皆様)
設計:伊藤憲吾建築設計事務所 伊藤憲吾、室宏(元スタッフ)、原大地、河野秀一
施工(分離発注方式)
大工工事他:鹿野工務店+姫島の職人の皆様
屋根外壁工事:大好産業
住宅設備機器他:大分住器
建材他:関建材
木製建具工事:wood Road Inuyama
その他の写真はHPをご覧ください→http://www.ika10.jp/case/post-20/
【光と風の宿(老人ホーム) 概要】
応募カテゴリー:産業のための建築・空間・インテリア
建設地:大分県中津市
(コンセプト)
大分県中津市にある老人ホームの増築計画である。二面道路に対する安全性の確保と快適な空間の為の中庭形式としている。歴史景観の考慮として表情のある格子を外観に施している。既存建築はRC耐火構造に対し、木造の準耐火構造としている。老人ホームは介護を必要とした方が住まう場所であるが、管理運営側の要望で建築計画が決まるため管理を重視しがちである。本施設においては住まう方の快適性を考慮し生きる尊厳を重んじることが要望であった。
(審査委員の評価)
社会の高齢化が進み、また多様な人たちがともに暮らすことが当たり前になってきている現代において、かつてはいわゆる「施設」であった老人ホームは、新しい「住まい」の一つになって然るべきである。この計画は、そうした時代の流れを体現している最も良い事例だろう。「施設」らしさは微塵も感じらず、一人一人が誇りを持って生きられるような質の高い空間と快適な環境がそこにはある。穏やかな外観も、地域にうまく溶け込んでいて素晴らしい。
(関係者の皆様)
コンサルタント:株式会社アイランド
運営:株式会社はぴねすさぽーと
施工:立石建設株式会社
建築設計:伊藤憲吾建築設計事務所 伊藤憲吾、原大地(元スタッフ)、河野秀一
内装デザイン協力:atelier arks 荒木明
実施設計協力:深見建築設計室 深見暢祐
構造設計:きいぷらん 山下智
設備設計:株式会社 桑野設計 桑野尚樹
その他の写真はHPをご覧ください→http://www.ika10.jp/case/post-17/