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House-Hy
- 家族構成: 夫婦、子供二人
- 用途: 専用住宅
- 所在地: 大分県杵築市
- 構造: 木造 在来工法
- 設計: 伊藤憲吾建築設計事務所
- 写真: 原大地(原大地ケンチク設計室)
- 施工: 株式会社 平野工務店
- プロデュース: IKA
- Copyright ©: 2020 Ito Kengo Architects All rights reserved
- 大分県杵築市に建つ住宅である。南側の別府湾を望む日当たりの良い棚田形状の敷地が計画地であった。施主は眺望の良さを求めこの敷地を購入した。眺望を活かす建築計画が主題となった。
明快な要望に素直な計画として解いている。二階にはリビングと子供部屋を設けている。1階には夫婦寝室と和室とお風呂周りなどが配置されている。夫婦寝室には洗面所を経由して通ることにしている。これは夫の働き方の為である。朝は早く魚市場へ行き、夜の就寝時間も早い、家族と違う時間の過ごし方を配慮した計画である。家族に気を遣わせずに就寝することができ、朝早く出勤も出来る。家の形は家族の形が反映されるものだ。
それらの設計プロセスを形にする中で、1階は強固なボリューム感を持ち、2階は開放感の高い抜け感を持つことになった。一つの建築で二つのデザイン要素となっている。1階は土地に見られる石積み擁壁になぞらえ、二階は樹木の上にあるツリーハウスのような楽しさを持たせることにした。ピロティ空間は庭の延長空間として今後活用される。
敷地は棚田上の畑であった。畑が住宅地になることは珍しいことではない。しかし、土地を活用し農作物をつくるという生活に直結した生産性のある使われ方が、住宅用地に変わることに疑問が無いわけではない。今後、世界的には食糧難も予想される。食料の生産できる土地としてみるべき部分も今後はあるように思う。立地と要望によって導かれたこの建築は、結果としてすっくと持ち上げられ、土地利用の可能性が残されたとも言える。それは畑の記憶も繋いでいるように見える。
この建築の施工時に於いて新型コロナウイルスによるステイホーム期間があった。今もなお、その最中にある。どこに住み、どこで過ごし、どこで生きるのか、家を建てることがより一層と生き方の形として反映されるだろう。それをこの建築の記憶としても残したい。
加えて言えば、ローカルエリアの地価の安さを建築費用に反映さえた施主の英断があった。それが気持ちの良い景色を望みながら住むライフスタイルとして建築に現れている。。<設計概要>
所在地/大分県杵築市
主要用途/専用住宅設計
建築設計 伊藤憲吾建築設計事務所
担当/伊藤憲吾、原大地(元スタッフ)、河野秀一
構造設計 きいぷらん 山下智
施工
株式会社 平野工務店写真撮影
原大地ケンチク設計室 原大地構造・工法
主体構造 木造在来工法規模
階数 地上2階建て
敷地面積 253.98㎡
建築面積 108.53㎡
延べ面積 132.71㎡工程
設計期間
2018年11月~2019年10月
工事期間
2019年11月~2020年05月20日外部仕上げ
屋根/カラーガルバリウム鋼板縦ハゼ葺き
外壁/コロニアル葺きSOLIDO(ケイミュー)
開口部/断熱サッシ サーモスL(LIXIL)内部仕上げ
主室
床/オーク無垢フローリング、Pタイル張り (東リ)
壁/ クロス張
天井/ クロス張、一部構造材表し
浴室
床壁/浴室用FRP防水
天井/VP塗設備システム
住宅設備機器 置型浴槽 ラフィア(TOTO)
シャワーバー(TOTO)
洗面器 カリッサ900(サンワカンパニー)
鏡 ステムズミラーボックス(サンワカンパニー)
便器 ネオレスト(TOTO)
トイレ手洗い レプトインウォール(サンワカンパニー)
キッチン グラッド45(サンワカンパニー)
食洗器(ミーレ)
空調 冷暖房/エアコン
換気/第三種換気
給排水 上水道、浄化槽5人槽
給湯 エコキュート