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Haru+ (ハルタス)
- 家族構成: 町の人
- 用途: 福祉施設(通所介護&生活介護&放課後等デイサービス)
- 所在地: 大分県竹田市荻町
- 構造: 木造
- 設計: 伊藤憲吾建築設計事務所 担当/伊藤憲吾、高田明日香、森悟
- 写真: 森 悟
- 施工: 有限会社 川野組
- プロデュース: IKA
- Copyright ©: 2024 Ito Kengo Architects All rights reserved
Haru+(ハルタス)
荻町古民家リノベーションプロジェクト
<コンセプト>
築90年ほど経った住宅を福祉施設に用途変更を行い、改修工事を行いました。
運営するのは竹田市に拠点をおく「カラフル」さんです。カラフルさんの運営方針は境界をなくし誰しもが訪れることができる福祉施設を目指されています。人は誰しも違います。その違いのままにありのままに受け入れることができる場所つくりが本計画においても重要なコンセプトとなりました。
人口減少していく地域にあって、高齢者、障がい者、子どもの為の施設と縦割りの運営することは、人と人のつながりを断つことに繋がります。それぞれに出会い触れ合うべきです。訪れてくれる人たちに合わせて運営側が変わることを取り組まれています。建築計画は、そのフレキシブルでサスティナブルな姿勢を取り入れることを目指しました。
荻町に在る古民家を新たな拠点として計画は始まりました。ここを誰しもが立ち寄れる「みんなのいえ」となるように検討が始まりました。
しかし、建築は老朽化が進み危険な状況も散見されました。建築士としては難しい判断も必要となりました。予算の上限はある中で何を優先すべきか?建築士としての優先事項は命を守ることであるべきですが、施設としては機能性が必要となります。その両立は相反する部分が生まれがちです。
メインの集う場所は吹き抜け空間としています。既存の建築内にもう一つ構造フレームを入れることにしました。既存構造躯体を補強していくことは困難であったため、内側に新しい構造躯体を入れることで内側から既存躯体を支えるような計画としています。地震の際に内側から守ることでリスクを軽減しました。また、瓦を軽量なものへと葺き替えることで既存躯体の負担も軽減しています。
浴室は在来工法で一新しました。機能性だけであれば福祉施設用のユニットバスの導入も検討されたのですが、お風呂を楽しみに訪れてくれる高齢者の方にとって、リラックスできる家のお風呂のような空間となるようにしています。桧の内装材からは良い匂いがしてきます。施設ではなく家で在りたいという想いによって生まれました。
運営するスタッフにはDIYが得意な方がいます。この「家」は運営する皆さんの手によって、手が加えられ変わっていきます。棚やキッチンなどはDIYで製作されました。構造用合板の壁には釘が打てます。自由に楽しく変化を続けて、この場所に在り続けてほしいと思います。
人口減少して高齢社会となっている地域社会の中で、行政だけではなく民間から地域の場所つくりが行われています。私たちは一人では生きていけません。人が集まり、助けあい、そして笑いあえる「みんなのいえ」が誕生しました。Haru+(ハルタス)と名付けられたこの場所は、ジェンダーレスであり、ボーダーレスで、壁のない建築です。未来がここに在ります。
カラフルHP:https://taketa-colorful.work/
ハルタスInstagram:https://www.instagram.com/harutasu_ogi/
<設計概要>
所在地:大分県竹田市荻町
用途:福祉施設(通所介護&生活介護&放課後等デイサービス)
設計:伊藤憲吾建築設計事務所 担当/伊藤憲吾、高田明日香、森悟
施工:有限会社 川野組 担当/小倉
写真撮影:森悟
構造・工法 主体構造:木造(築90年)
規模 階数:地上2階建て
敷地面積: ㎡
建築面積: ㎡
延べ面積: ㎡
工程:設計期間 2022年5月~2022年9月、工事期間 2022年10月~2023年3月
(外部仕上げ)
屋根:瓦葺き替え(一部)
外壁:一部杉板張り+木材保護塗料塗
(内部仕上げ)
床:杉板フローリング
壁:クロス貼り
天井:クロス貼り
(設備システム)
キッチン: 施主DIY製作
浴室: 在来工法
便器:
洗面脱衣室: サンワカンパニー
空調冷暖房:別途工事
換気:第三種換気
給排水:上水道、浄化槽
給湯:LPG