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作品

U.K.R.P

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U.K.R.P

  • 家族構成: 家に想いのある親族
  • 用途: 住宅
  • 所在地: 大分県佐伯市宇目
  • 構造: 木造
  • 設計: 伊藤憲吾建築設計事務所 担当/伊藤憲吾、高田明日香、森悟
  • 写真: 森 悟
  • 施工: 株式会社 原田建築
  • プロデュース: アンヘルニニ
  • Copyright ©: 2024 Ito Kengo Architects All rights reserved
  • U.K.R.P
    宇目古民家リノベーションプロジェクト
  • U.K.R.P
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<コンセプト>

築80年ほど経った古民家のリノベーションプロジェクトである。敷地は大分県の南に位置する佐伯市宇目にある。山林に囲まれた集落にある古民家は、家主を亡くして、ひっそりとそこに佇んでいた。この家に想いのある親族は思い出と共に次へと繋げる事を考え、相談を頂くことになった。

家は不思議なことに家主を失うと老朽化が進むように思える。建築は生き物ではないので、時間経過とともに物質として痛んでいくだけなのだが、そこに留められた記憶からなのか何かの声をあげているようにも思えてしまう。家というのは人と共に生きているようにも思えてくる。

この計画にあたっては、予算の枠内で家としての再生が目的となった。水回りの一新、老朽化した部分の改善、そして空間性の向上を行うことになった。

台所は歴史に変化が垣間見えるところであった。使われなくなった竈(かまど)の横にはガスレンジが置いてあった。火からガスへ、そして電気へとエネルギーは変わっていった。住宅空間はそれに合わせるように変化をしていったのだが、全てが一新されるわけではなく、古い建築では軌跡を残しながら変化していく。この竈には想いでもある。歴史の変化と共にあったものとして残すことになった。

土間からつながる居間は奥まった位置にあり暗く、日中でも照明に頼る明るさとなっていた。使われなくなった二階の床を撤去することで吹き抜け空間と共に奥まで届く自然光を確保することにした。土間部分も吹き抜けとして、人の集いやすい環境を目指した。玄関を開けると人が集う場所がある。ここにまた親族が集うことを期待している。

日本の人口減少は2000年以降に始まるが、各地域でばらつきがある。中央に人口が移動する状況から、多くの地方では1950年代より人口減少は始まる。今現在、各地域には多くの空き家があり、その場所にすべて思い出が蓄積されている。忘れていくものもあるが、忘れないようにしたいというものもある。このプロジェクトでは、家に残る思い出を繋いでいき、そしてまた家として在り続けたいという願いがあった。経済行為だけでは生まれない愛情がそこにはあり、とても幸せな家の在り方である。

 

<設計概要>

所在地:大分県佐伯市宇目

主要用途:住宅

設計:伊藤憲吾建築設計事務所 担当/伊藤憲吾、高田明日香、森悟

施工:株式会社 原田建築 担当/山崎邦規

写真撮影:森悟

構造・工法 主体構造:木造(築80年)

規模 階数:地上2階建て

敷地面積: ㎡

建築面積: ㎡

延べ面積: ㎡

工程:設計期間 2022年4月~2023年5月、工事期間 2023年6月~12月

(外部仕上げ)

屋根:日本瓦葺き替え(入り部)

外壁:杉板下見板張り+木材保護塗料塗

開口部:断熱サッシ入れ替え(一部)

(内部仕上げ)

床:杉板フローリング、磁器質タイル貼り(KYタイル)

壁:クロス貼り、漆喰仕上げ

天井:クロス貼り、杉板張り

(設備システム)

キッチン: タカラスタンダード

ユニットバス: タカラスタンダード

便器: タカラスタンダード

玄関洗面: TOTO

洗面脱衣室: TOTO

空調冷暖房:別途工事

換気:第三種換気

給排水:

給湯:エコキュート(既設)