RENOVATION
リノベーションという選択
大分県大分市の建設事務所「伊藤憲吾建築設計事務所」が、リノベーションの基礎知識をご紹介します。
思い出がたくさん詰まった、住み慣れたわが家。しかし、年月がたてば経年劣化により、あちこちに傷みが出るのも仕方ありません。また、暮らしていくうちに家族構成やライフスタイルが変わり、家に求めることが変化することもあるでしょう。
リノベーションは、これからも末永くともに時間を過ごす住まいを、より良い環境に整えるためのものです。
リフォームとリノベーション、何が違う？
既存の家に手を加え、現在の住まいにおける問題を解決するという意味では、リフォームもリノベーションも違いはありません。実際に、明確な定義が定められているわけではなく、建築業者によって解釈がまちまちということも珍しくないのが実情です。
しかし、それぞれの言葉の成り立ちを見てみると、そこには大きな違いがあることに気が付きます。
まずはリフォーム。これは「Re」と「Form（形）」が組み合わさった言葉です。日本語にすると、「元の形に戻す」となります。一方、リノベーションとは「Re」と「Innovation（革新・一新）」が組み合わさった言葉です。つまり、リフォームというのは劣化した部分を改修し、新築の状態に戻すこと。リノベーションとは、それに加えて+αのイノベーションを起こすだけでなく、根元を治すのが目的、という違いがあるのです。
プロによるリノベーション
多くのお客さまは建築のプロではないため、一所懸命お話しいただいても、伝え漏れがあって当然です。
しかし、優れた建築家は施主様の声だけでなく、気持ちも聞くことができます。「どうしてそう思うのか？」「なぜそうしたいのか？」そこまで考えた上で、いくつかのプランを考えられるのが、本当の意味での“プロフェッショナル”なのです。建築家にリノベーションを依頼する意味は、ここにあります。
細かなデザインの一つひとつに根拠を持たせ、さまざまな可能性を模索した上で期待以上の仕事をすることはもちろん、建築基準法を遵守しながら、安全性や機能性などを考慮した家づくりが叶います。理想+αの住まいを実現したいのであれば、ぜひ建築家へ想いを伝えてみてください。
変えるのは“見た目”だけじゃない
リノベーションとは、趣味・ライフスタイルに合わせることや、デザインを変えることだけを意味する言葉ではありません。いくら見た目がきれいになっても、年月を重ねた住まいは、人間と同じように病を抱えていることがあります。長く住んだ家だからこそ、弱っている箇所はしっかりと改善しなければいけません。
適切に判断し、必要な箇所は必要な状態へと変えることで、ともに過ごす未来へとつながっていきます。